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胡蝶蘭をお祝いに贈るのはなぜ?事前に知っておきたい豆知識

お祝い時の贈り物として選ばれる胡蝶蘭。

国内ではもはやお祝いごとの贈答花として定番中の定番と言っても良い胡蝶蘭ですが、一体なぜこのような慣習となったのでしょうか。今回はお祝いに胡蝶蘭を贈るようになった経緯についてご紹介します。胡蝶蘭の種類には色や本数など様々なタイプがありますが、実は胡蝶蘭を贈る際にはしばしば気を付けるべきポイントがいくつかあります。

今回は胡蝶蘭を贈る前に知っておきたい、知っておくべき事柄をご紹介します。しっかりと贈答花として胡蝶蘭を贈る意味を踏まえ、相手側に失礼とならないよう、お祝い品として胡蝶蘭をお考えの方はぜひご参考ください。

なぜ胡蝶蘭?お祝いに選ばれる理由

今やお祝いの贈り物として一般的な胡蝶蘭。ここではそんな胡蝶蘭の歴史や、なぜ贈り物として選ばれるようになったのか、贈るお祝いシーンについてみていきましょう。

胡蝶蘭の歴史

「胡蝶蘭」ーこの名前だけから想像すれば、胡蝶蘭は日本固有のものと思う方もいるかもしれません。しかし、実際は胡蝶蘭は海外から国内に持ち込まれたもの。ここでは、胡蝶蘭の歴史について簡単に説明します。

胡蝶蘭の原種は今から200年近く前の1836年に、東南アジアで発見されたと言われています。当時南米からイギリスに持ち込まれた「カトレア」という蘭をきっかけに、その美しさから上流階級の間で蘭ブームが起こり、さらなる蘭を追い求めてオーキッドハンター(蘭専門のハンター)が東南アジアで発見したのが始まりです。

蘭の原種は、今日のように美しい純白をベースにしたものではなく、色のついたものや、模様が入っている種類でした。発見から約50年後の1887年以降から品種改良が始まり、現在のような純白の胡蝶蘭を作り出すこととなりました。

そして今から約100年前、明治時代にイギリスから日本へと胡蝶蘭はやってきたのです。しかし、当時は胡蝶蘭を安定的に栽培できる農家は少なく、希少価値の高い、あくまでも富裕層の嗜好品という立ち位置で、あまり普及はしていませんでした。

そんな胡蝶蘭が国内でも広く普及し始めたのは温室の運用が可能になってからです。寒さに弱い胡蝶蘭を安定的に栽培することができるようになり、胡蝶蘭はやがて一般にも普及し始めます。

さらに国内における栽培技術も進歩し、品種改良も盛んに行われ、現代では日本で作り出したオリジナルの胡蝶蘭も世界に展開するほど。100年の時を経て、今ではすっかり国内でも一般的な花となりました。

胡蝶蘭の花言葉

そんな胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」「純粋な愛」というものです。

「胡蝶蘭」という国内での漢字名称は、実はコチョウランの姿かたちが蝶が飛んでいるように見える、ことからきています。

そんな由来もあって、胡蝶蘭の花言葉は上記のように幸せを運ぶ、喜びをともにするといったようなポジティブな意味合いが持たれるようになり、お祝いとして贈る際には、贈る相手側の幸せを願う気持ちが込められています。

このような背景もあって、いつしか胡蝶蘭はお祝いの際に贈るお花として広く認知されるようになりました。

胡蝶蘭が贈られるお祝いシーン

胡蝶蘭といえばお祝いの贈答品としてのイメージが強いですが、実際にはどんなお祝いシーンで贈られるのでしょうか?具体的な例をここで紹介します。

・ビジネスシーン
豪華で場を華やかにしてくれる胡蝶蘭はビジネスシーンにおけるお祝い事の際にもよく採用されます。お取引先や、社内における社長の就任祝い、昇進祝いのほか、お店の開店祝いや移転のリニューアルオープン時といった様々なシーンで贈ることのできるお花です。

・プライベートシーン
一方プライベートシーンで胡蝶蘭を贈る際にはどういったシーンがあるのでしょうか。例えば友人・知人の新築祝いや引っ越し祝いなどが挙げられます。また、そのほかご家族に感謝の意を示す母の日や父の日にも贈答品として選ばれます。

このように胡蝶蘭は「お祝い」事においては幅広いシーンで利用されています。見た目の美しさや胡蝶蘭のもつ意味合い、そして温室技術の発展によって今日では一年中美しく咲いた胡蝶蘭が流通するようになったのも理由として大きいでしょう。加えて、胡蝶蘭は花粉が少なく、匂いもないというのも贈られた側の配慮ができるという意味合いで、お祝い品として適しています。

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胡蝶蘭を贈る際のマナー

様々なお祝い事に贈られる胡蝶蘭。

お祝いときの贈り物として一般的な胡蝶蘭ではありますが、胡蝶蘭を選ぶ際、贈る際にはマナーが存在します。早速ですが、ここでは贈答品として贈る胡蝶蘭におけるマナーについてみていきましょう。

贈られる側の胡蝶蘭を飾るスペース

胡蝶蘭は小さいものではありません。開業祝いや新築祝いなど、相手側のスペースにしばらく飾っておくものということもあり、事前にどのくらいのスペースが確保できるのか確認しておきましょう。置き場所に比較してあまりにもサイズが大きな胡蝶蘭だと相手側も困ってしまいます。

胡蝶蘭の立て数は奇数に

古くから割り切れる偶数は縁起が悪いとされています。したがって、胡蝶蘭の立て数(茎の数)は基本奇数となるように選択しましょう。

立て札を付ける

贈答品として胡蝶蘭を送る際には、ほぼ必須と言える立て札が必要です。これは、胡蝶蘭が誰から送られたものかを相手に明確に示すためのものです。立て札には誰からいただいた胡蝶蘭なのか、をきちんと識別できるよう、「お祝いの言葉」「贈り主」を記載した立て札は必ず付けるようにしましょう。立て札を見た相手は、送り主の名前を確認してどのような胡蝶蘭を誰からもらったのかを判断します。

また、贈る側として連名で複数の名前を立て札に記載することもありますが、立て札の大きさは胡蝶蘭のサイズとのバランスを考慮して決められているため、名前が多すぎると文字が小さくなり、誰から送られたかが判断しにくくなってしまいます。その場合は、「○○一同」と記載すると良いでしょう。

お見舞いの際に鉢植えは避ける

幅広いシーンで贈り物として利用される胡蝶蘭は、お見舞いの際にも用いられることがあります。この際は、鉢植えタイプの胡蝶蘭を贈ることはNGです。鉢植えだと、根付く=寝付くを想起させ、縁起が悪いとされるからです。

お祝いに贈る胡蝶蘭の値段の目安

様々なお祝いのシーンで贈られる胡蝶蘭ですが、その価格の相場やシーン別の値段はどういったレンジになっているのでしょうか。ここでは気になる胡蝶蘭の価格についてみていきたいと思います。

ビジネスシーンで開店・開業・開院などのお祝いに

立て数として3本立ての胡蝶蘭が最も一般的と言えるでしょう。したがって輪数によっても値段が変動しますが、金額の相場はおおよそ1万円〜3万円ほど。

特に付き合いの深い間柄であれば5本立ての胡蝶蘭を贈るのも良いでしょう。その際の値段相場はおおよそ3万円〜5万円となります。白、あるいは「商売繁盛」の意味合いを込めて黄色の胡蝶蘭を贈るケースもあります。

ビジネスシーンで昇進のお祝いに

昇進の際に贈る胡蝶蘭については3本立てが一つの目安となるでしょう。したがって価格は1万円〜3万円ほど。カラーは純白の白が選ばれることが多いです。

また、各種お祝いのなかでもとりわけ特別なお祝いの際には、7本立ての大変豪華な胡蝶蘭を贈ることも。輪数も100輪に登ることもあります。

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色毎に意味がある。胡蝶蘭のカラー別の意味合い

胡蝶蘭にはいくつかの代表的な色が存在しますが、実はこの色別にも花言葉が存在します。今回は白・ピンク・青の胡蝶蘭についての花言葉を紹介します。

白(ホワイト)の胡蝶蘭の花言葉

純白な胡蝶蘭の花言葉は「清純」「純粋」。

清潔感や上品な印象のある白胡蝶蘭のイメージにピッタリの花言葉です。オーソドックスでクリーンなホワイトは、ビジネスシーンでも最も選ばれることの多い色です。またその純真無垢な姿を重ね合わせるのと同時に、ホワイトのウェディングドレスとのイメージにもぴったりなため、結婚式や新婚祝いなどにも選ばれます。ほかにも出産祝いや還暦のお祝い、お悔やみの際の仏花など、幅広いシーンで活用してくれる、間違いのない色です。

ピンクの胡蝶蘭の花言葉

ピンクの胡蝶蘭は「あなたを愛しています」という花言葉があります。

愛情や恋心といったイメージを想起させるピンクカラーらしい花言葉です。ロマンティックで親愛な意味合いを込めて、個人的な贈り物として選ばれることが多い色です。今年の母の日はカーネーションではなく、ピンクの胡蝶蘭に変えてみても喜ばれることでしょう。想い人への告白やプロポーズといったシーンでも利用されます。

青(ブルー)の胡蝶蘭の花言葉

白やピンクと比較すると珍しい青の胡蝶蘭の花言葉は「尊敬」「誠実」。

落ち着いた知性を感じせるブルーの胡蝶蘭らしい花言葉ではないでしょうか。日頃お世話になっている方や、目上の方への贈り物として選ぶと良いでしょう。ビジネスにおけるシーンもそうですが、父の日、敬老の日などに選ばれることも。

ちなみに、紫やリップ、黄色といった比較的新しい色の胡蝶蘭にはまだ明確な花言葉は定められていないと言われています。※紫は高貴な色として、寿や古希のお祝いに選ばれることも。

 

まとめ

いかがでしたか?今回はお祝い事に胡蝶蘭を贈る際に知っておきたいポイントをまとめてみました。

今やお祝い事に贈答品として贈られることが一般的となった胡蝶蘭。多くの人が知っている花だからこそ、事前に基本知識を抑えて相手方に失礼のないようにしましょう。